デンカの2020年3月期連結決算は、売上高が3808億300万円で前期比7・8%減、営業利益は315億8700万円で同7・7%減、経常利益は300億3400万円で同8・5%減、当期純利益は227億300万円で同9・4%減となった。
売上高は、車両電動化関連やヘルスケア分野で販売数量が増加したが、一部製品で原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しなどにより減少した。
利益面では、販売数量の減少に加えて、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加したことにより減益となった。
セグメントのうち、エラストマー・機能樹脂部門は、売上高が1493億2500万円と同16・7%減となった。クロロプレンゴムは、全体的に需要が減退したため販売数量が減少し減収。また、スチレンモノマーやABS樹脂、シンガポールの子会社デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂、MS樹脂の販売は概ね堅調に推移したが、原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことから減収となった。
インフラ・ソーシャルソリューション部門は、特殊混和材は出荷増および価格改定により増収となり、農業・土木用途向けのコルゲート管は概ね堅調に推移したが、セメントや肥料、耐火物・鉄鋼用材料の販売は前年を下回った。この結果、売上高は548億200万円、同0・1%減となった。
2021年3月期は、売上高は3600億円で前期比5・5%減、営業利益は310億円で同1・9%減、経常利益が290億円で同3・4%減、当期純利益が210億円で同7・5%減を見込む。なお、業績予想は、新型コロナウイルス感染症の収束時期や経済環境の動向により大きく異なる可能性があるとしている。