クレハの20年3月期連結決算は、売上収益が1423億9800万円で前期比4・0%減、営業利益は180億4100万円で同5・1%増、税引前利益は179億4400万円で同2・9%増、親会社の所有者に帰属する当期利益は137億1900万円で同1・5%減。前期比で減収となったが、本社別館の土地の売却益などのその他の収益の計上により増益となった。
セグメントのうち、機能製品事業は、売上収益が418億4200万円で同8・5%減、営業利益は37億1100万円で同19・4%減。機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA樹脂加工品の売上は増加したが、PPS樹脂およびその他の機能樹脂加工品などの売上が減少し、減収減益となった。炭素製品分野では、高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上が減少し、減収減益となった。
樹脂製品事業は、売上収益が434億7300万円で同3・7%減、営業利益は63億600万円で同6・4%減。コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップおよびフッ化ビニリデン釣糸の売上が増加し、増収増益となった。業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルム等の売上げが減少し、ブローボトル事業の譲渡を行ったこともあり、減収減益となった。
21年3月期の連結業績予想は、新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算定することが困難であることから、現時点では未定としている。
2020年05月14日