新素材「ヒューモフィット」 三井化学が市場開発開始

2020年05月19日

ゴムタイムス社

 三井化学は5月18日、ヒトの体温を感知して、カラダに馴染む新素材シート「HUMOFIT(ヒューモフィット)」の市場開発を5月11日から開始したと発表した。

 ヒューモフィットは、触れた瞬間からどんどん柔らかくなり、触れたその手にあっという間に馴染むという、不思議な感覚が得られる素材。この特性を活かし、「ヒトによりそい、やわらかくつつみこむ、あたらしいここちよさ」を提供し、カラダとモノの不一致による痛み、疲労、違和感から、人々を開放できる素材として期待されている。

 不思議な感覚の秘密は、ガラス転移温度(ポリマーが劇的に軟化する温度)にある。ヒューモフィットのガラス転移温度は、約28度。つまり室温(約23度)と人間の体温(約36度)の間にヒューモフィットのガラス転移温度が存在している。自分の手の体温がこのシートに熱を伝え、シートの温度がガラス転移温度を超えることで、触れたその手にあっという間に馴染むという、不思議な心地よさが得られる。

 ヒューモフィットを手にすると、使用しているアイテム(モノ)とのフィット感を得られることで、痛み、疲れ、違和感を忘れ、パフォーマンス・集中力を高められるという安心感を得ることができる。また、ゆっくりカラダにフィットしていく様を視覚的に感じることができるため、より安心感、満足感を得ることができる。

 カラダへのフィット感を求めるニーズが予想される用途として、アパレル、シューズ、シート、バンド、サポーター、寝具、ヘルメット、ヘッドホン、スポーツ製品などがある。
 
 このほか、ウェアラブル、VR、AR、eスポーツ、医療IoT等、急成長が期待される新市場にも「ヒトによりそう」やさしい素材としてヒューモフィットは貢献する。

 同社は、形状記憶シートとして約3年前から各種展示会やウェブサイトを通じてヒューモフィットの紹介を始めた。以来、そのユニークな素材特性から、幅広い業界の開発者、企画担当者、デザイナー等から多くの反響を得ている。

手の体温で柔らかくなる素材

手の体温で柔らかくなる素材

 

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