東ソーは5月21日、同社の全自動化学発光酵素免疫測定装置AIA―CLシリーズ向けの専用試薬として、新型コロナウイルスに対するウイルス抗体検出用の検査試薬の開発を開始したと発表した。同社免疫測定検査試薬の特徴であるモノテスト&凍結乾燥技術をベースとした迅速、高感度な検査試薬の開発を進めている。全自動装置であるAIA―CLシリーズと組み合わせることで、簡便かつハイスループットな測定環境を提供することを目指す。
同社は、独自のモノテストカップを特徴とする全自動イムノアッセイ検査システムを展開し、60を超える検査項目の測定試薬を開発してきた。これまで培ってきた技術や知見を生かし、早期の開発に取り組んでいく。また、遺伝子検査法の一種であるTRC法を用いた新型コロナウイルス検査キットの開発(2020年2月21日付ニュースリリース)に関しても、体外診断用医薬品としての上市を目指し精力的に取り組んでいる。新型コロナウイルスに起因する世界的な公衆衛生上の問題に対する対策の一助となるべく、早期の社会実装化を目指す。
同件は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和2年度ウイルス等感染症対策技術開発事業「新型コロナウイルス抗体検出を目的としたハイスループットな全自動免疫測定方法の開発及び同測定方法の社会実装に向けた研究(研究代表者・横浜市立大学学術院医学群臨床統計学山中竹春主任教授)」のもと実施される。同研究課題は、横浜市立大学学術院医学群微生物学梁明秀教授を中心とする研究グループの研究成果である抗ウイルス抗体検出方法を基に、同社と横浜市立大学、関東化学が協働で実施するもの。