三井化学は5月21日、国連環境計画(UNEP)が主催するスタートアップ支援プログラム「The Asia Pacific Low Carbon Lifestyles Challenge」に参画し、プラスチック廃棄物削減に貢献する、革新的なアジアのスタートアップ企業3社を選出したと発表した。今後、同社グループはこの3社に対し、助成金(各社に1万ドル)を提供するとともに、UNEPと共同して技術指導・運営支援などに取り組んでいく。
今回選出したスタートアップ企業は、大学、イベント会場などでリユース可能なカップの利用を支援するシステムを提供するベトナムのAYA Cup、廃棄された漁網を回収しサングラスフレームなどリサイクル製品を提供する中国のREMAKE HUB、廃プラスチックを道路のアスファルト代替として利用し低コストの舗装を提供するブータンのThe Green Roadの3社。
この支援プログラムは、同社を含むパートナー企業・団体とともに、選定企業へ助成金提供、技術指導・企業運営のアドバイスなどの支援を実施する取り組み。「プラスチック廃棄物削減」「低炭素モビリティ」「持続可能エネルギー」の3つのカテゴリーにおいて、アジアのスタートアップ企業を広く募り、毎年10社程度を選定している。今年は100社以上の応募があった。
同社は、2018年4月にESG推進室を設置し、ESG要素を経営・事業戦略に積極的に取り込み、「環境と調和した共生社会」「健康安心な長寿社会」の実現に向けてビジネスモデルの変革を進めている。プラスチックを中心とする製品・サービスを提供する化学企業として、気候変動とプラスチック問題は、真摯に取り組むべき重要な社会課題。同社グループは、両問題への対応を一体の課題としてとらえ、循環経済の実現に取り組むとしている。