、 住友ゴム工業は5月26日、三井住友信託銀行との間で、「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(資金使途を特定しない事業会社向け融資タイプ)」の融資契約をゴム製品業界で初めて締結したと発表した。同社のSDGs達成に向けた取り組みが評価された。
ポジティブ・インパクト・ファイナンスは、企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資を実行するもの。SDGs達成への貢献度合いを評価指標として活用して開示することが最大の特徴。
同社グループは、タイヤ事業を中核事業として事業展開し、世界中に環境や安全の最先端技術を搭載した商品を供給している。スポーツ事業では、ゴルフ・テニスを中心に確固たる地位を築いていることに加え、産業品他事業においてもタイヤ事業で培った独自のゴム技術をベースに、制振ダンパーや医療用精密ゴム部品、OA機器用精密ゴムなど、多種多様な商品を製造・販売している。
同社グループは2008年から「Green(緑化)」「Ecology(事業活動の環境負荷低減)」「Next(次世代型技術・製品の開発)」「Kindness(人にやさしい諸施策)」「Integrity(ステークホルダーへの誠実さ)」の5つの枠組みからなるCSRガイドライン「GENKI」を掲げ、積極的にサステナビリティ活動を推進してきた。また、2020年2月に公表した新中期経営計画において「ESG経営の推進」を掲げ、事業活動を通じたSDGs達成への取り組みを推進している。
同社の以上のような取り組みと、特にSDGsの目標達成にインパクトを与える活動として、「緑化」「事業活動の環境負荷低減」「次世代技術・製品の開発」「サプライチェーンマネジメント」の4つのテーマについて定性的・定量的に評価を得た。
これらの取り組みの進捗・成果は、同社が発行する報告書などで開示する。なお、同件は、日本格付研究所から同件評価にかかる手続きのポジティブ・インパクト金融原則への準拠性、活用した評価指標の合理性について第三者意見を取得している。
同社グループは、ポジティブ・インパクト・ファイナンス契約締結によりSDGsの目標達成へ向けた取り組みをより一層強化し、中長期的な企業価値の向上を引き続き目指していくとしている。