櫻護謨の20年3月期連結決算は、売上高が143億4700万円で前期比37・3%増、営業利益は11億3800万円で同56・9%増、経常利益は11億400万円で同58・2%増、当期純利益は6億7500万円で同57・9%増となった。
売上は消防・防災事業の増収が大きく寄与し、過去最高を達成した。利益面は、本社事務所移転に伴う一時費用並びに賃借料の増加や人員増加に伴う人件費の増加などがあったものの増収効果が大きく、増益となった。
セグメントのうち、消防・防災事業の売上高は95億1900万円で同88・9%増、営業利益は11億3200万円で同460・7%増。
大型化が進む自然災害に対応する救助資機材や特殊車両、延期となったが東京五輪の円滑な開催に向けた安全対策資機材の販売が増加した。
航空・宇宙、工業用品事業の売上高は43億3300万円で同12・0%減、営業利益は4億2200万円で同47・9%減。
航空・宇宙部門では、エンジン用部品など金属加工製品の販売が大きく減少した。工業用品部門では、タンクシールなど工業用ゴム製品は微減となったが、子会社の金属加工品の販売は増加した。
現時点で新型コロナウイルス感染症が今後の経営成績に与える主な影響は、民間航空機用シール材の需要減などを想定。これらの影響を踏まえた21年3月期の通期業績予想は、売上高が98億円で前期比31・7%減、営業利益が1億5700万円で同86・2%減、経常利益が1億3700万円で同87・6%減、当期純利益が8500万円で同87・4%減を見込んでいる。