バンドー化学は5月29日、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオードなどの光半導体向けで、ダイやサブマウントの低温焼結接合が可能な銀ナノ粒子接合材「FlowMetal®(フローメタル)」の販売を開始したと発表した。
光半導体業界では、従来の照明用途に加えて、大出力光源を用いた様々な産業機器用途の光デバイスでLEDやレーザーダイオード化が進んでいる。特に紫外線LEDは、発熱量も多く、熱対策が不可避なため、発光素子の接合材にも高熱伝導性が求められている。 そこで同社は、コア技術であるゴム材料や樹脂材料の分散技術を応用した銀ナノ粒子と分散剤の配合設計により、無加圧での低温焼結性と焼結層の緻密性・高熱伝導率を両立した銀ナノ粒子接合材フローメタルを開発した。 同製品の特長は、従来品では分散剤を除去するために高温で加熱する必要があることが問題となっていたが、同社独自の配合設計により、無加圧での低温焼結性と焼結層の緻密性・高熱伝導率を両立(焼成温度は 150~280 ℃、焼成後熱伝導率は140~250 W/mK)している。 また、LED・レーザーダイオードのダイ、サブマウントのほか、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)等のパワー半導体チップ接合のはんだ代替、パッケージ接合のAuSn(金すず)はんだの代替としても使用が可能である。