ナフサ価格高騰に対応した各種合成ゴムの値上げが相次ぎ打ち出されているが、クロロプレンゴム「CR」の価格改定についてもCRトップメーカーの電気化学工業が発表したのに続いて、昭和電工もCRの値上げを17日発表した。
電気化学工業は、クロロプレンゴム(デンカクロロプレン)及び エチレン・酢ビ・アクリル酸エステル系特殊ゴム(デンカER)の価格を2月21日出荷分からの決着を目指しユーザーとの交渉に入っている。
値上げ幅はデンカクロロプレンが28円/㎏、デンカERが40円/㎏。
同社では製造及びその他諸経費について徹底した削減・合理化に努めているが、石炭価格はじめ原料価格の上昇等による製造コスト増は自助努力の限界を超え る状況にあるとし、両製品の安定供給並びに事業を維持継続するため値上げを実施する。また、海外市場においても同様に現在値上げ交渉を実施している。
昭和電工もクロロプレンゴム「ショウプレン」の国内価格を3月1日納入分より27円/㎏値上げする。
「安定供給体制と事業の維持継続のため、お客様にその一部のご負担をお願いせざるを得ないとの結論に達した」としている。
TPE製品を価格改定 プラス・テク
プラス・テクは3月1日出荷分から塩ビコンパウンドを値上げする。
塩化ビニルコンパウンドの電線用一般コンパウンドが㌔当たり20円以上、耐熱コンパウンドと非移行コンパウンドが同22円以上、一般軟質用コンパウンドが 同24円以上、硬質コンパウンドが同18円以上。難燃仕様コンパウンドはそれに加え15~40円以上の値上げとなる。
オレフィン系コンパウンドはライデックス・エコケーブル用が同㌔10円以上、アムゼルが同12円以上、PP・PE・EVA系コンパウンドが同12円以上。
SEBSを値上げ ?クレイトンポリマージャパン
クレイトンポリマージャパン㈱は、クレイトン製品の価格を3月1日納入分から値上げすることを決定し、需要家との交渉を開始した。対象製品群はSBS・油展SBSで修正幅は11円/㎏、SEBS・SEPSで修正幅22円/㎏。
主原料やエネルギーのコストが上昇しており、世界的に不安定な経済状況下で責任ある供給を継続するため、速やかな価格転嫁が不可欠と判断した。
同社はこれにより、再投資と技術革新に必要な利益を確保したいとしている。
製品の主原料やエネルギーコストは継続的に上昇を続けており、世界的に需給動向は極めて見通しが困難な状況だが、責任ある安定供給のためには、速やかな価 格転嫁が不可欠と判断した。同社はこれにより必要なレベルの利益を確保し、継続して再投資と技術革新を行っていくとしている。