クラレは6月3日、同社の豪州子会社プランティックテクノロジーズが、食品ロス低減や廃棄物削減に貢献するバイオマス由来の生分解性ガスバリア材「プランティック」で、世界包装機構(WPO)が主催する「ワールドスターアワード2020」の「プレジデントアワード」部門の銅賞を受賞したと発表した。
「プランティック」は2002年にオーストラリアの産学連携研究から生まれたバイオマス由来のガスバリア材。主に豪州・欧米の大手流通・スーパー、食品メーカーで環境対応型包装材料として採用されている。
ワールドスターアワードは毎年開催される世界最大級の国際包装コンテストで、各国で選出された製品・技術の中から、特に優れたものが表彰される。2020年は36カ国から321点がノミネートされ、「ワールドスター賞」214点が選出された。さらにその中から「スペシャルアワード」4部門の金・銀・銅賞、計13点が決定された。今回、「プランティック」がWPO会長賞にあたる「プレジデントアワード」部門の銅賞に選ばれた。また、「プランティック」を使用した韓国ソフトパック社の「COFFILM」が ワールドスター賞・包装資材部門に選ばれた。
スペシャルアワード「プレジデントアワード」部門銅賞の「プランティック」は、精肉・加工肉等のスキンパック底材に使用されるガスバリア材。賞味期限延長による食品ロス低減、厚み減による廃棄物削減に寄与する。溶解性と生分解性により、通常では分離の難しいポリエチレンテレフタレート(PET)層の回収ができ、豪州においては、リサイクルPETとの組み合わせで、リサイクル容器として認証を取得している。
ワールドスター賞「包装資材」部門で受賞の「COFFILM」は、コーヒー豆の品質やフレーバーを保持し、廃棄処分時には環境に負荷がかからない地球に優しい包装材。中間層に従来のアルミ箔を使用せず、「プランティック」を含む生分解性素材だけで構成している。
同社は、2015年にプランティックテクノロジーズを買収以降、同社が持つガスバリア材のノウハウを活かし、品質・加工技術の向上、および用途開発と販路の拡大を進めてきた。現在、既存の豪州のフィルム工場に加え、米国でプランティック樹脂工場の稼働を予定しており、今後、食肉包材用途を中心に、市場のニーズに合わせた製品ラインナップを揃え、新規用途・製品の開発を加速していくとしている。