帝人は6月9日、同社の炭素繊維「テナックス」を使用した熱可塑性複合材料、およびポリカーボネート樹脂「パンライト」が、ココアモーターズが開発した、カバンに入れて携帯できるクルマ「WALKCAR」(ウォーカー)に採用されたと発表した。
「WALKCAR」は、ココアモーターズのウェブサイトで6月9日に発売される。
ココアモーターズが開発した「WALKCAR」は、世界初の「カバンに入れて携帯できるクルマ」。サイズは、縦215mm、横346mmと13インチのノートパソコンと同等で、重量は2・9kgと軽量化を実現、これにより最高時速16kmでの走行、1回の充電で7kmの継続走行を可能とした。また、重心移動による操作が可能であることからハンドルやコントローラーが不要で、フラットなボディから降りることで自動的に停止する安全設計が特長となっている。
今回「WALKCAR」に採用されたのは、同社の炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板「テナックスTPCL」と熱可塑性複合材料織布「テナックスTPWF」、およびポリカーボネート樹脂「パンライト」。「テナックス」は、鉄の10倍の強度と4分の1という軽量性を有し、「パンライト」は、ガラスの約200倍の耐衝撃性と2分の1という軽量性を有している。そのため、これらの素材をボディに用いることにより、「WALKCAR」の特長である軽量性と耐久性を実現した。
同社グループは、「未来の社会を支える会社」になるという長期ビジョンの実現に向けて、これからも多彩な高機能素材を活用し、様々な分野に対してソリューションを提供していくとしている。