東ソーは6月10日、同社グループ会社の東ソー・シリカが韓国の南海化学社と合弁会社の東ソー南海シリカを設立し、需要が拡大する低燃費タイヤ用シリカの生産拠点の建設を決定したと発表した。
合弁会社の東ソー南海シリカは、20年3月3日の設立で、所在地は大韓民国全羅南道麗水市。なお、合弁会社の出資比率は東ソー・シリカが67%、南海化学が33%となっている。
合弁会社が韓国に開設する低燃費タイヤ用シリカの生産拠点は、20年8月から建設着工を開始し、商業運転は21年10月の開始を予定。合弁会社の従業員は25人程度を予定している。
なお、同社は韓国拠点の開設を機に、グループ全体の低燃費タイヤ用シリカの生産能力は既存に比べて約35%増えるとみている。
低燃費タイヤ用シリカは、自動車の低燃費化や電動化に合わせ、転がり抵抗を減少させることで自動車の燃費改善などのタイヤ性能向上に優れた効果を発揮する材料として、今後も需要拡大が見込まれている。
東ソーシリカは、2000年に低燃費タイヤ向けシリカの生産設備建設に着手。それ以降これまで培ってきた高い技術力を背景に、タイヤメーカーからの旺盛な需要に対応するために、南陽工場(山口県周南市)で低燃費タイヤ用シリカの生産能力の増強を逐次進めてきた。
また、近年はBCP(事業継続計画)観点から、「第2の生産拠点の開設をご要望する声がお客様から高まっていた」(同社)とした上で、海外に第2の生産拠点を確保することで、事業基盤の強化を図っていく方針だ。
東ソー・シリカは、1959年10月設立。東ソー100%子会社で本社は東京都港区。工場は南陽工場、事業内容は各種シリカおよび合成化学石膏の製造・販売を行っている。
一方、南海化学社は1974年5月設立。事業内容は化学肥料の製造・販売で、シリカについても同国で製造・販売している。
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