三菱ケミカルは6月15日、3Dプリンティング用樹脂パウダーを製造販売するドイツのAMポリマーズ(以下「AMP社」)とPBTポリブチレンテレフタレートパウダーにおける共同開発および販売に関する独占的な業務提携に合意したと発表した。
今回の提携により、同社においてPBTを組成段階から3Dプリンティング用にカスタマイズし、難燃性等の物性を付与できるパウダーを共同開発した。また、PBTは樹脂パウダーとして主流となっているPA12ナイロン12に比べて吸水性が低いため、造形時の取り扱いが容易。近日中に顧客評価のための試作品を欧州にて順次提供していく予定。
AMP社は、3Dプリンティングの製法の一つである粉末造形法に使用される樹脂パウダーを専門に取り扱っており、3Dプリンターの市場が拡大している欧州を中心に顧客基盤を確立している。ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂を粉末化する過程で3Dプリンティング用に造形性・物性を強化する技術に優れている。
今回の提携により、同社は初めて3Dプリンティング用の樹脂パウダーを製造販売することになる。粉末造形法における3Dプリンティングは、パウダーから造形するため複雑な形状が可能であり、造形時間も短いため、量産性が必要とされる自動車や航空機部品への採用が期待される。同社は、今回の提携を通して3Dプリンティング用の樹脂パウダーの開発と販売ネットワークを強化し、積極的に事業を展開していくとしている。