BASFは6月16日、中国における堆肥化可能な生分解性コポリエステル(PBAT)について、同社の高い品質基準に準拠した方法で生産および販売するライセンスを、中国のレッド・アベニュー・ニュー・マテリアルズ・グループに供与する共同契約に署名したと発表した。
レッド・アベニュー・ニュー・マテリアルズ・グループは年間生産能力6万トンのPBAT工場を上海に建設し、BASFの生産技術を用いて、同社が生分解性樹脂「エコフレックス」として販売している原料を生産する。この新工場は2022年に稼働し、バイオポリマー市場に供給を開始する。
BASFのグローバル・ビジネス・ユニット、スペシャルティ・ポリマーズの責任者、オリビエ・ウブリッヒは「中国市場開拓への取り組みとネットワーク、戦略的に優れた立地、および当社との長期にわたる良好な関係から、レッド・アベニュー・ニュー・マテリアルズ・グループをパートナーとした。この協力体制により、お客様のニーズをさらに効果的に満たすことができ、供給の柔軟性も向上するだろう」とコメントした。
エコフレックスは1998年に上市され、DIN EN13432および ASTM D6400 に準拠している。また、コンパウンド材料としても活用されており、同社の生分解性コンパウンド樹脂「エコバイオ」にも配合されている。
エコバイオは一部が植物由来の生分解性樹脂であり、有機性廃棄物袋、ラップフィルム、青果用袋、農業用マルチフィルム、食品包装など、幅広い用途での使用が可能。食品廃棄物の回収だけでなく、農作物の生産性向上、包装、貯蔵におけるエコバイオの優位性も報告されている。食品廃棄物が減少し、栄養分が大量の堆肥として土壌に還元され、土壌中のプラスチックの蓄積が回避されることで、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現するとしている。