カネカは6月18日、特殊樹脂製潜熱蓄熱材を用いた、シート状の潜熱蓄熱建材「パッサーモシート」を開発し、6月から販売を開始したと発表した。
「パッサーモシート」は、特殊樹脂製潜熱蓄熱材を使用し、厚さ約1mmのシート状に押出成形した潜熱蓄熱建材。屋根部に「パッサーモシート」と押出法ポリスチレンフォーム断熱材(商品名「カネライトフォーム」)などを組み合わせて使用することで、屋外からの熱を「パッサーモシート」が蓄熱し熱の流入を抑え、夏期日中の日射ピーク時の室内への熱流入を削減する。加えて、夜間には蓄熱した熱を屋外に排熱することで、一日を通して冷房負荷を軽減し、省エネに貢献する。
夏期において、日中の屋根面の表面温度は外気温に対して非常に高温になり、室内温度の上昇につながることや、一度室内空間に入った熱は夜間も逃げにくいなどの課題があった。同社は、この課題に対し、3年間にわたり大学や地域工務店の協力を得て、夏期日中のピークカットに着目して効果的な潜熱蓄熱建材の使用法の検証を進めてきた。
住宅における省エネや快適性向上に対するニーズは増加し、潜熱蓄熱建材への注目度も高まっている。同社は、「カネライトフォーム」の製品改良や使用法の提案などを継続して実施しているが、今回、潜熱蓄熱建材「パッサーモシート」をラインアップに加え、省エネルギーと快適な暮らしへのソリューション提供を強化していくとしている。