建機、工作機械の国内外での需要好調を背景に、油圧ホースの生産が高水準で推移している。日本ホース金具工業会がまとめた本年1―9月期のホースアセンブリ需給実績によると、付属金具販売を含めた総販売額は495億9400万円、前年同期比12%増と1割超の伸びを維持している。回復基調ながら自動車用は前年水準を下回り、一般産業用が2割増で総需要を押し上げている。
9月のホースアセンブリ実績は、産業用が37億1600万円、前年同月比108%、自動車用は11億8700万円、同14%減、樹脂ホースは5億7300万円、同110%となり、付属金具販売(58億9300万円、同3%増)を加えた販売額は58億9300万円、同3%増と小幅ながら前年同月実績を上回った。
自動車用については震災直後、部品供給ストップの影響から自動車生産が中止となるなどサプライチェーン問題が表面化、夏ごろから供給体制が整い、回復基調で推移していたが、自動車用ゴムホースのアセンブリ実績は依然マイナスで推移している。
これに対して建機・工作機械向けの高圧ホースアセンブリ実績は好調を維持しており、9月累計で22%増となった。
「震災復興から東北地区に建機類が集結され、今後もインフラ整備から建機の需要は落ちることはないだろう。また、海外需要もここにきて中国が一段落の気配を見せているものの市場は確実に拡大していくだろう」(高圧ホースメーカー)。
樹脂ホースについては一般産業向けのほか工作機械関連でも耐柔軟性、軽量性などの性能向上からゴムホースの代替として需要が伸びており、9月累計で18%増とほぼ2割の伸びとなっている。