ダウは6月19日、世界で最もイノベーティブで顧客本位であり、インクルーシブかつ持続可能な素材科学企業になることを目指し、気候変動とプラスチックごみの問題に対処するための新たな目標を、17日に発表したことを発表した。また、17年連続となる2019年度のサステナビリティリポートを発行し、2025年サステナビリティゴールに向けた進捗および結果を報告した。
2025年サステナビリティゴールに基づく、同社の新たな持続可能性目標は以下の通り。
・「気候の保護」。2030年までに年間炭素排出量を正味500万t、2020年と比較し15%削減する。また、パリ協定に沿って、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指す。
・「廃棄物の根絶」。2030年までに、直接の行動またはパートナーシップを通して100万tのプラスチックの回収、再使用、リサイクルを実現することにより、「廃棄物の根絶」に貢献する。
・「循環経済」。2035年までに、包装用途における全製品を、再利用可能またはリサイクル可能にすることで、「循環経済」に貢献する。
2019年サステナビリティリポートに記載されているように、同社は2025年サステナビリティゴールに向けて大きく前進している。例えば、「温室効果ガスの排出を15%削減」「カーボンプライシング(炭素価格付け)を事業計画に組み込む」「再生可能電力への投資」の結果を2006年以降に実現している。「再生可能電力への投資」では、同社はクリーンエネルギーの使用において化学業界でトップ企業であり、再生可能エネルギーの使用においては世界トップ25にランクインしている。
また、同社は、アルゼンチン、ブラジル、米国テキサス州およびケンタッキー州における製造施設において、338メガワット以上の電力を再生可能資源から調達する、新たな再生可能電力に関する契約を締結した。これにより、22万5000t以上に相当する二酸化炭素の削減が期待され、2025年までに750メガワットの電力を再生可能資源から調達するという目標を超えて順調に進んでいる。
さらに、軟質および硬質プラスチック包装用途のメカニカルリサイクル(物理的再生)プラスチック樹脂の新製品を上市した。この製品は、二酸化炭素排出量およびエネルギー使用量を最大20~30%削減できる可能性がある。
同社は、最終的に世界の温室効果ガス排出を削減できる低炭素製品や技術の開発および商品化を促し、企業が温室効果ガス削減の説明責任を果たすことができるようにするため、主要な大学、NGO、監査専門家、技術パートナー、業界関係者と協力しているが、この協力に関する詳細な情報を今年後半に提供する予定。