ヘンケルは6月11日、サーマルインターフェース材料(TIM)の新製品「BERGQUIST GAP FILLER TGF 7000」の上市を発表した。この液状TIMは、7・0W/mKの高熱伝導率と最大吐出量18g/秒(同社試験による)という塗布速度を併せ持つ画期的な配合の製品。優れたスループットを備えたこの新しい製品は、自動車ADASシステム、パワーコンバージョンシステム、電動ポンプ、ECUなど、今日のより小さなフットプリント、より高いレベルの電力設計に併せて、大量生産及び高熱伝導率が要求されるアプリケーションに適したものとなっている。
BERGQUIST GAP FILLER TGF 7000は、2液混合型シリコーン樹脂系の熱伝導性ギャップ充填材料で、最大吐出量18g/秒というスピードですばやく塗布でき、室温で硬化する。7・0W/mKの熱伝導率を持ちながら硬化後も柔らかく、部品への負荷を最小限に抑え応力の発生を低減する。低分子シロキサンの揮発量は300ppmに抑えられ、様々な基板や光学部品にも対応可能。さらに貯蔵安定性や扱いやすさも大きな特長であり、ユーザーにとってリスクの低いロジスティクスが実現するというメリットもある。
同社のグローバルテクノロジーエキスパートであるHolger Schuh氏は、「化学的な観点からは高速塗布ができる高熱伝導率の液状TIMを設計する場合、そのバランスを維持することが最も難しい点。熱伝導率の高い液状材料では塗布装置の詰まり、ケーキング等を心配する声もあるが、同製品ではこうした問題が発生しにくい配合になっている」と、同社の樹脂技術と熱対策材料の開発における専門性の高さを強調した。また、同製品の配合を調整し決定する段階では、以前より技術提携をすすめている塗布装置メーカーと協力し、製品の塗布性を検証する様々な試験を実施した。
さらに、同製品のさまざまな環境下における性能を詳しく理解するため、同社は定評ある産業調査会社のZFW Stuttgartに協力を依頼し、革新的な熱解析と測定技術を用いた様々な負荷状況におけるTGF 7000の放熱性能を評価した。解析結果については、BERGQUIST GAP FILLER TGF 7000の設計コンセプト、試験方法、熱特性や機械特性とあわせ、6月30日に同社、Bdtronic、ZFWがオンラインで行うウェビナー(英語のみ)で詳細情報を公開する。