トヨックス(富山県黒部市、中西誠社長)は高温樹脂ペレット搬送用の耐熱・耐摩耗・静電気防止ホース「トヨトップ‐E100℃ホース」を6月22日より新発売する。
この商品は、自動車部品などを生産する樹脂成型工場において、従来苦情や不満の多かった、エンプラ系プラスチック粉粒体の予備乾燥後の搬送での、「熱」によるホースの折れやつぶれ、「摩耗」による穴あきや異物混入、また「静電気」による原料詰まりなどの現場での課題を解消するために開発し、このたびの発売となった。
このホースは、100℃までの耐熱性能を有し、高温での吸引や圧送でもホースの折れやつぶれがなく、耐摩耗性能も従来品に比べ約3倍以上(当社製品比)に向上、静電気防止機能も併せ持っている。
ホース外皮は、軟質塩化ビニールと金属ワイヤー補強との組み合わせで、高温での吸引や圧送でも保形が可能となり安定搬送できるほか、ホース内面に摩耗に強い特殊ウレタン樹脂を使用することで、ホースの穴あきとホース片やアース線(銅線)の混入リスクを低減できる。
また、粉粒体の搬送時に発生しやすい静電気を集積する金属ワイヤーとアース機能を持つ静電気防止帯が一体構造になっており、一般的な帯電防止剤を配合するホースに比べて、安定した静電気防止効果が持続する。さらに、柔軟なうえにホース内面も平滑なシームレス(継ぎ目なし)構造なので粉体が溜まりにくく、トラブル防止や生産性向上につながるとしている。
(特許出願中)
アース接続も簡単。ホース外面を通る静電気防止帯に専用のアース用クリップを取り付けるだけで作業時間を短縮できる。
主な仕様は、使用温度範囲が—5℃~100℃、サイズは内径32ミリ、38ミリ、50ミリの3サイズ。圧送・吸引に使用でき、RoHS2(改正RoHS)に適合している。
同社では、自動車部品における高温樹脂ペレット搬送用のホース国内市場は2億円以上と想定しており、今回の新商品発売により、樹脂成形工場の生産性向上へのニーズに対応する品揃えがさらに充実し強化されることで、5年後に60%のシェア獲得を目指すとしている。