帝人は6月26日、同社グループの欧州における炭素繊維事業会社であるドイツのテイジン・カーボン・ヨーロッパ社(以下「TCE」)が、欧州市場の需要拡大に対応するため、炭素繊維「テナックス」ショートファイバーの生産能力を40%増強したと発表した。
欧州では電子機器、医療機器市場において、軽量化や耐衝撃性の向上を目的に炭素繊維を使用したコンパウンド製品へのニーズが高く、中でも新型コロナウイルス感染症拡大の影響からレントゲン機器や人工呼吸器などの用途で需要が高まっている。
炭素繊維「テナックス」は、高強度、高剛性、高い熱変形性などの特長に加え、軽量化が可能であることから、高品質のコンパウンド製品が電子機器や医療機器などに使用されており、熱可塑性および熱硬化性樹脂を用いた幅広い製品ラインナップでショートファイバーを展開している。
こうした中でTCEは、欧州における顧客対応力を強化し多様なニーズに幅広く対応していくため、ドイツでのショートファイバー生産の増強を決定した。
同社グループは、今後、炭素繊維製品の開発をさらに強化し、革新的な高性能材料とソリューションを提供することで、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していくとしている。