原油・ナフサ価格は急落 新型コロナの影響色濃く 第20回日本ゴム工業会幹事会詳報 

2020年07月13日

ゴムタイムス社

 日本ゴム工業会は6月26日、経団連会館で第20回幹事会を開催した。今回は新型コロナウイルス感染症防止対策の観点から、時間を短縮して実施された。
 幹事会前に開催された理事会で会長、副会長、専務理事の選出が行われ、池田育嗣会長(住友ゴム工業会長)が再任された他、事務局からゴム製品の生産・輸出入概況や最近の資材動向など各種統計資料の配布が行われた。
 幹事会の冒頭、挨拶に立った池田会長は「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の中、4月の緊急事態宣言を受け、今年の総会は当初の5月開催から延期せざるを得なかった」と述べた上で、「1月に中国武漢で新型コロナウイルスが猛威を振るっているというニュースに続き、2月のクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の乗客が感染したというニュースがあったが、この時点で対岸の火事という認識だったのは否めない。緊急事態宣言で2カ月以上も外出自粛が続くなど、ここまで大きな影響を及ぼすということは予測できなかった」と振り返った。
 池田会長は「足元では緊急事態宣言が解除され、6月19日からは国内の移動自粛も解除されたが、客先の自動車産業は世界的な減産で、当会会員各社も大きな影響を受けており、回復にはまだまだ時間を要すると予想している」と言及した。
 さらに、池田会長は「新型コロナウイルスで世の中の常識が変わる。例えば、テレワークが当たり前の仕事のスタイルとなった。その一方、当たり前と考えていたことが実は不要で無駄なことにも気づかされた。これは前進といえるのでないか。ただ、変えてはならないものがある。当会では技術力や生産性を上げ、競争力を高めていくこと、環境を守っていくこと、標準化を進めていくこと、グローバルでの公平な競争を維持することなどが挙げられる」とし、「そのためには我々がなすべき課題を明確にし、力を合わせて皆様のお役に立てる活動を進め、業界の持続的な発展に貢献していきたい」と表明し、挨拶を終えた。

挨拶する池田会長

 ◆原油価格の推移
 原油相場は、米中貿易摩擦による景気減速懸念やイラン産原油の禁輸措置一部緩和等を受けて、19年12月にWTI(ニューヨーク先物相場)が1バレル59ドル、ドバイ原油(東京スポット相場)が64ドルまで上昇した。
ただ、20年に入ると米中貿易協議進展の期待やOPEC等による減産強化やイラン産原油の全面禁輸措置等に加え、中国を発端とする新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、原油価格は急落。4月のドバイ原油は22ドル、WTIは16ドルまで下落した。その後は足元ではドバイ原油が39ドル、WTIが37ドル近辺の水準まで復調している。

 ◆ナフサ価格の推移
 ナフサ価格についても、原油価格に連れて東京オープンスペック(事務局試算)が19年12月に1kg換算で4万3600円、輸入ナフサ価格が20年2月に4万4024円の水準まで上昇した。
 ただし、1月下旬以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、オープンスペックは4月に

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