【開発経緯概略】
エチレンと酢酸ビニルのランダム共重合体である。EVA樹脂の工業生産は1960年代アメリカのデュポン社で行われた。酢酸ビニルを共重合させる目的の一つは、ポリエチレンの結晶性を低下させ透明性、柔軟性などの物性を付与することである。その物性に関係する因子としては、酢酸ビニルの分布、共重合比、短鎖分岐、長鎖分岐、分子量、分子量分布などが挙げられるが、本質的には酢酸ビニルの導入による結晶性の減少が共重合体の基本的性質を支配していると考えられる。酢酸ビニルの含有量(数~45%前後)により柔軟性、ゴム弾性、低温特性などが異なった性質を示す。
【性質、加工、その特徴】
① 柔軟性、ゴム弾性、低温特性に優れたプラスチックであり、-50℃まで可とう性がある。
② 成形加工性に優れ、耐候性も優秀でストレスクラッキングにも良く耐える。
③ 水・紫外線に耐える。
④ トルエン、ベンゼン、トリクロロエチレン、THFに溶解するが、メチルエチルケトン、塩化メチレン、アセトン等には不溶である。
⑤ 他のプラスチック材料にブレンドすると成形時の流動性、低温における耐衝撃性を向上させるのに効果的である。
【新製品への応用と主な用途】