日本ミシュランタイヤは6月30日、オンラインでスタッドレスタイヤの新製品発表会を開催し、乗用車用スタッドレスタイヤ「XーICE SNOW」を8月11日より順次発売すると発表した。3年ぶりの発売となる新スタッドレスタイヤは「XーICE3+」の後継製品となる。
発表会では、冒頭、ポール・ペリニオ社長が登壇し、「冬季における使用環境とユーザーニーズを徹底的に分析し、多くの人々がどんな路面環境でもより安全に移動できるよう、多機能、かつそれぞれの機能が高いレベルで発揮できるスタッドレスタイヤを開発した」と新製品を紹介し、新製品が「移動本来の目的である、より充実したビジネスや安心な日常生活、ウインターレジャーを満喫するなどユーザーのより良い体験に貢献できることを願っている」と話し、挨拶を締めくくった。
「XーICE SNOW」は日本の冬季路面を時期や地域、時間帯などあらゆる角度から分析し、想定されるすべての路面環境下において高いレベルの性能を発揮できるスタッドレスタイヤとして開発された。
現行製品である「XーICE3+」と比較して、アイスブレーキング性能を9%向上、雪上ブレーキング性能も4%向上させ、アイス、雪上の両性能を非常に高いレベルに引き上げた。
また、その性能が装着初期だけにとどまらず、履き替え時までより長く続くようにコンパウンドや溝形状、サイプの深さや数などを全面改良し、安全性のみならず経済性にも貢献している。
続いて、乗用車・商用車タイヤ事業部マーケティング部の黒谷繁希ブランド戦略マネージャーは、開発にあたり同社が調査を行ったところ、スタッドレスタイヤにはアイス性能やスノー性能に加え、静粛性やドライ路面での走行性能、さらには摩耗末期まで安全に使用できるロングライフ性能など、様々な消費者ニーズがあることがわかったと話し、そのニーズに応えるために、「冬のどのような路面でも、何時如何なる時でも、何も気にせず、安全・快適に車の運転をしたい」を開発コンセプトにしたと説明した。
技術面では、剛性の高いポリマーベースの材質をコンパウンドに配合し、ベースコンパウンドとの摩耗差により微小な凹凸を生成することでエッジ効果と水膜を破って接地するアイスグリップ性能を高める「エバー・ウインター・グリップ・コンパウンド」を新採用した。雪上でも雪踏み効果を発揮し、摩耗しても接地面の凹凸は再生され続けるため高い性能が継続される。
トレッドパターンには、「Vシェイプトレッドパターン」を採用。サイプの長さを従来品より28%増加させたことで、エッジ効果を強化。アイスグリップ性能に貢献しながら、増加した溝により、シャーベット路面やウェット路面で効率よく雪や水を排出し、安定したグリップを発揮する。
説明会の最後に、自動車研究家の山本シンヤ氏が新製品装着車で体験走行した感想を語り、「様々な路面を走った所、アイス性能で絶大な安心感を実感することができた。ただ、アイス性能だけでなく、スノー性能やドライでの性能も非常に高く、総合性能の高いタイヤに仕上がっている。スノー性能の高さは名前にSNOWを冠しただけはある」と高く評価していた。