日本ゴム工業会は6月26日、東京千代田の経団連会館で第20回幹事会を開催した。今回は新型コロナウイルス感染症防止対策の観点から、時間を短縮して実施された。
幹事会前に開催された理事会で会長、副会長、専務理事の選出が行われ、池田育嗣会長(住友ゴム工業会長)が再任された。副会長には清水隆史副会長(TOYO TIRE社長)、吉井満隆副会長(バンドー化学社長)が再任され、新副会長には東正浩氏(ブリヂストン代表執行役副会長)が就任した。専務理事に岡本浩一氏(日本ゴム工業会)が就任した。
再任された池田会長は「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の中、4月の緊急事態宣言を受け、今年の総会は当初の5月開催から本日に延期せざるを得なかった」と述べた上で、「1月に中国武漢で新型コロナウイルスが猛威を振るっているというニュースに続き、2月のクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の乗客が感染したというニュースがあったが、この時点で対岸の火事という認識だったのは否めない。ところが日本全国に感染が拡大し、緊急事態宣言で2カ月以上も外出自粛が続くなど、ここまで大きな影響を及ぼすということは予測できなかった」と振り返った。
池田会長は「足元では緊急事態宣言が解除され、6月19日からは国内の移動自粛も解除されたが、客先の自動車産業は世界的な減産で、当会会員各社も大きな影響を受けており、回復にはまだまだ時間を要すると予想している」と言及した。
さらに、池田会長は「新型コロナウイルスで世の中の常識が変わる。例えば、テレワークが当たり前の仕事のスタイルとなった。その一方、当たり前と考えていたことが実は不要で無駄なことにも気づかされた。これは前進といえるのでないか。ただ、変えてはならないものがある。当会では技術力や生産性を上げ、競争力を高めていくこと、環境を守っていくこと、標準化を進めていくこと、グローバルでの公平な競争を維持することなどが挙げられる」とし、「そのためには我々がなすべき課題を明確にし、力を合わせて皆様のお役に立てる活動を進め、業界の持続的な発展に貢献していきたい」と表明し、挨拶を終えた。
続いて、吉井副会長が「ゴム業界ではSDGsや外国人技能実習制度など、業界として進めなければ議案がある。コロナウイルスで大変な状況ではあるが、やるべきことはしっかり取り組めるよよう、池田会長をしっかりサポートしていきたい」などと挨拶した。