DSMは7月7日、同社がクラリアント社の3Dプリンティング事業を部分的に引き継ぐことで合意したと発表した。
この合意により、同社は顧客の多様なアプリケーションニーズに対し、より多くのフィラメント・ペレットによるラピッドプロトタイピング・製品開発ソリューションを提供できるようになる。
工業製品の生産におけるアディティブマニュファクチャリング(積層造形、3Dプリンティング)技術の導入事例が急激に増加している中、既存の製品ポートフォリオや製造プロセスと整合する材料を使用したい、というニーズも増えてきている。同社のフィラメントおよびペレットに関する優れた技術や実績に、クラリアント社が培ってきた3Dプリンティング材料に関する知見を加えることで、市場ニーズに基づいた高性能なフィラメントとペレットを、顧客のニーズに即応できる形で提供することが可能になる。
今後、両社技術の統合により、同社はエンジニアリンググレードのフィラメント、ペレット、およびパウダーの製品ポートフォリオを強化する。また、独自のコンパウンド生産方法により、フレキシブルかつスピーディーな市場主導型製品開発を進めてきたクラリアント社チームの知見を活かすことで、顧客のアプリケーションニーズに合わせたより迅速な製品改良が可能となる。今回の取引には、クラリアント社の3Dプリンティングチームの一部、選別されたエンジニアリンググレードのフィラメント・ペレット材料ポートフォリオ、開発パイプライン、顧客、パウダー開発の知見、少量バッチ生産の迅速な立ち上げのための小規模生産ラインが含まれている。
同社アディティブマニュファクチャリング部門のバイスプレジデントであるHugo da Silva氏は、「クラリアントから専門知識や経験が豊かな新しいチームメンバーを迎え入ることで、DSMのアディティブマニュファクチャリングソリューションを拡充でき、非常に嬉しく思う。DSMとクラリアントは、お客様のニーズや課題を熟知し、共有しており、また両社の専門知識、ノウハウおよび製品ポートフォリオは相互補完的な関係にある。DSMは、クラリアントの3Dプリンティング材料事業を統合することにより、より幅広い材料ポートフォリオをもって、市場ニーズに即応しつつ、製造業におけるアディティブマニュファクチャリング技術の新たな可能性を追求していく」と述べている。