■ 夏季インタビュー
社内外でデジタル化の取り組み加速
十川ゴム 十川利男社長
「コロナ禍で一番の悩みはお客様と積極的な商談や打ち合わせが思うようにできないこと」と語る十川ゴムの十川利男社長。足元の状況や新型コロナウイルス対策などについて十川社長に聞いた。
◆前期を振り返って。
前期は売上高が140億200万円で前期比3・0%減、経常利益は2億3500万円で同23・3%減の減収減益だった。海外では昨年来からの米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱、国内では10月の消費増税もあり、国内外の経済環境が厳しかった。年明けに半導体産業に復調が見られたものの、新型コロナウイルスの感染拡大がそれを打ち消した形だ。
◆コロナウイルスが業績に与えた影響は。
3月末あたりから当社もコロナウイルスの影響を徐々に受け始めた。4月はそれほどの落ち込みは感じなかったが、緊急事態宣言が発出された5月は人やモノが動かなくなり、リーマンショックの時にも経験しなかった程厳しかった。6月に自粛が緩和されて社会も動き出し、6月後半あたりからモノが若干動き始めたものの、20年4~6月期の売上高は前年同期比15%程度減少した。
◆分野別の状況は。
分野別では、コロナウイルスの影響で自動車業界は大幅減産が行われ、当社の自動車産業用ゴム部品は大きな影響を受けている。また、前期調子が良かった医療機器産業分野は、コロナでさらに需要が伸びると見ていたが、感染を恐れて病院に行かなくなる人が増え、医療用ゴム部品も落ち込んでいる。さらに、ゴムシートなど汎用品の需要も冷え込んでいる。
◆今後の見通しを。
7月と8月は引き続き低調に推移する可能性が高く、我慢の状況が続きそうだ。ただ、悲観的になりすぎても良くない。一部の自動車メーカーがわずかでも動く情報もあり、願望としては9月以降の持ち直しに期待している。
◆コロナ対策について。
コロナウイルスの感染
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