東部ゴム商組はこのほど、第5回工業用品流通動態調査を発表した。
同組合では、ベルトホース部会が1982年からベルト・ホース流通動態調査を実施している。一方、工業用品部会で扱うゴムシート/マットや成形品、押出品などは商品の種類や材料・製法が多岐にわたり、分類の区分けが難しく、調査実施が難しいとされてきたが、部会員の努力の積み重ねにより、2016年より工業用品流通動態調査が実施されている。
調査対象企業は工業用品部会員企業41社と同部会員選定の組合員企業19社の計60社に依頼。調査期間は19年4月~20年3月の1年間で、回答率は83%(50社)となっている。
設問内容に関しては、ゴムシート/マット、切削/打抜品、成形品、押出品、ロール品、ライニング・引布、その他の製法別に分類し、売上や市場価格、販売上の問題点など12の設問に対しそれぞれ回答を求めた。
〈前年度の売上高〉
売上高は、前年調査では全7分類で前年比で「95~105%未満」との回答が一番多かったが、今回はライニング・引布を除く6分類となった。分類ごとに細かく見ると、全分類で減少2回答(90~105%未満、90%未満)の増加が大きく、ライニング・引布の59%をはじめ、押出品54%、ロール品53%、切削/打抜品50%と4分類で減少2回答の合計が50%を超えることとなった。
〈19年度の市場価格の状況〉
「問題ない」とする回答が前回調査同様に大勢を占め、全分類で80%を超える回答だった。その一方で、「乱れている」回答がロール品、その他、押出品、ライニング・引布、成形品の5分野で前回に比べて増加。特に、ロール品は前回に比べて10ポイント増加した。
〈20年度の売上高予想〉
前回までは横ばいの「95~105%未満」が常に1位回答だったが、今回は成形品、押出品、ロール品で「90%未満」が最多回答になっており、他分野でも減少回答が増加した。押出品、ロール品が各62%、ゴムシート/マット、ライニング・引布が各60%、成形品59%、切削/打抜品58%と、その他を除く6分野で減少2回答の合計が60%前後を占めた。
〈商品分類別の年間売上高実績〉
全分類の年間売上規模を「1千万円未満」から「5億円超」まで6段階に分けて聞いた。ゴムシート/マット、押出品、ロール品、ライニング・引布の4分類では「1千万未満」「3千万円未満」の下位2回答の合計が半数以上を占め、切削/打抜品でも「1千万未満」の回答が前回に比べて増加した。一方、「1億円~5億円未満」「5億円超」の上位2回答の合計が、成形品は44%、切削/打抜品は30%と他の分類より高くなっている。
〈物流経費について〉
取扱い全商品にかかる物流経費のうち、「外部に支払っている」のは売上高対比で何%かの問いでは、48社から回答があり、「1~2%未満」が35%で前回同様1位回答となった。これに「1%未満」を加えると68%になり、過半を大きく上回る。また「4%以上」の回答は、調査開始以来今回初めてゼロとなった。
また、小口注文を外部運送者で送る場合、自社負担するおおよその基準、の設問では「3万円」以上は自社負担という回答が81%で、調査開始以来最高値となった。一方、「1万円以上」は2%で調査開始以来最低値となったことから、物流費底上げができていることが読み取れる。