エラストマ不振で減収減益 日本ゼオンの4~6月期

2020年08月01日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは7月31日、オンラインで決算説明会を開催し、21年3月期第1四半期連結決算の説明を行った。

 売上高は694億9200万円で前年同期比15・7%減、営業利益は43億1000万円で同48・2%減、経常利益は50億6900万円で同41・5%減、四半期純利益は35億7600万円で同41%減となった。

 売上高は、金額ベースでは同129億円のマイナスで、内訳は、エラストマー素材事業で100億円のマイナス、高機能材料事業で1億円のプラス、その他の事業などで30億円のマイナス。

 営業利益は同40億円のマイナスで、エラストマー素材事業で36億円のマイナス、高機能材料事業で2億円のマイナス、その他の事業などで2億円のマイナスとなった。
 松浦一慶取締役執行役員は、今期決算について「高機能材料は、化学品で香料用途向けが堅調で前年同期並みに推移したが、エラストマー素材事業は、新型コロナの影響で販売量が急激に落ち込み、売上高、営業利益とも大きく減少した」と総括した。

 セグメントのうち、エラストマー素材事業は、売上高が371億400万円で、前年同期比較で99億8100万円減少、営業損失は1億1700万円となった。
 合成ゴム関連では、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済悪化の影響を受けて、主要市場である自動車産業向けをはじめとして一般工業品用途向けも大幅に落ち込み、国内・輸出・海外子会社とも低調に推移した。
 合成ラテックス関連では、新型コロナウイルスの感染拡大により医療用手袋向けは販売が堅調に推移したが、化粧品材料や一般工業品用途などの大幅な需要減に加え、原料動向に連動した価格下落により、売上高、営業利益ともに前年同期を下回った。
 販売数量は、合成ゴムが6万5000tで同24%減、合成ラテックスは2万8000tで同8%減、化成品は3万5000tで同11%増だった。
 売上高は、合成ゴムが245億円で同25%減、合成ラテックスは33億円で同27%減、化成品は81億円で同12%減。
 エラストマー素材事業の営業利益については、価格差が32億円、数量差が13億円、為替差が4億円のマイナス要因となり、販管費差が8億円、減か差が5億円のプラス要因となったものの、全体で36億円の減益となった。
 第2四半期累計の予想は売上高が1300億円で前期比20・4%減、営業利益は70億円で同53・4%減、経常利益は80億円で同50・1%減、当期純利益は55億円で同52・4%減を見込んでいる。
 高機能樹脂関事業は、売上高223億4500万円で、同8700万円増加、営業利益は同2億4400万円減少し、48億1400万円となった。電子材料、化学品が好調に推移した。

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