ユリア樹脂(尿素樹脂:UF)
【開発経緯概略】
メラミン樹脂などを含めてこれらの化学構造を有するものを一般にアミノ樹脂と総称する場合がある。ユリア樹脂は尿素とホルムアルデヒドを中性または塩基性で反応させるとメチロールユリアができる。メチロールユリアを酸により脱水、または加熱して脱水、縮重合を行って得られる熱硬化性樹脂である。ユリア樹脂は、ドイツで1920年代に発明された歴史のある樹脂である。未硬化のユリア樹脂はアルカリ性で比較的安定で、酸性で硬化が促進される。成形時の加熱によって酸性となって働く触媒を加える。触媒には有機カルボン酸(クエン酸、フタル酸など)などがある。ユリア樹脂の成形材料は初期縮重合体に充填材、顔料、染料、重合触媒等を加え、粉砕、混合してつくる。
【性質、加工、その特徴】
① 熱硬化性樹脂の一般的傾向であるが、耐衝撃性が小さく、脆性破壊をしやすい。
② 表面硬度が大きい。
③ 無色・透明であるので、鮮明な色調に着色できる。
④ 空間網目状構造の高分子であるが、荷重たわみ温度が低く、熱湯(約80℃以上)で軟化する。
⑤ 耐有機溶媒性・耐薬品性は良いが、酸・アルカリには弱い。ホルムアルデヒドの結合が弱く、水、酸性溶液、アルカリ性溶液中に試料を加えて放置するとホルムアルデヒドが溶出することがある。
⑥ 耐熱水性が良くないのが欠点の一つである。
⑦ 低周波数における電気絶縁性が良好で、とくに耐アーク、耐トラッキング性に優れている。
⑧ 成形しやすい。硬化時の温度不十分、成形時間の不足、アフターベーキング時間が不十分(硬化反応が不十分)などの原因でホルムアルデヒドが溶け出しやすくなる。
【新製品への応用と主な用途】