シリコーン樹脂(SI)|熱硬化性樹脂

2020年08月20日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
シロキサン結合(Si-O-Si)に有機のメチル基やフェニル基などが同一分子内に存在している化学物質で、無機物の性質と有機物の性質を併せ持つ熱硬化性樹脂である。1940年代にアメリカのGE社で発明された。三次元網目構造は触媒(過酸化物など)や空気中の水分、熱水との触媒などにより得られる。シロキサンの骨格構造や重合度、有機基の種類などにより、無色透明な油状材料(シリコーン油)、弾性に富むゴム状材料(シリコーンゴム)、加熱により固化する固体(シリコーン樹脂)となる。

【性質、加工、その特徴】
① シリコーン樹脂の性質はその骨格構造、重合度、C/Si比、有機基の種類によって決定される。
② ポリイミドやフッ素樹脂に並ぶ樹脂として最高レベルの耐熱性、難燃性があり、200~250℃の高温でも使用可能である。
③ 常用温度が-50~-70℃にて使用可能なほど耐寒性に優れ、耐候性も極めて優れ、20年間屋外で使用しても劣化はほとんどない。
④ 電気絶縁性が良好で、温度や周波数による特性変化が少ないが、充填材によりこれらの特性が左右される場合がある。
⑤ 耐薬品性、耐溶剤性に優れ、金属や他の有機物を変質させない。一方、強酸や強アルカリにより分解劣化し、スチームや熱水によっても分解が促進される。さらに、ゴムや樹脂は炭化水素系溶媒により膨潤を生じやすいといった一般的な欠点もある。
⑥ 極めて無毒であり、人工臓器や食品関係の部品に好適である。
⑦ 表面・界面特性はまったく特異で、その表面張力が低いことにより撥水性、離型性、消泡性などに極めて優れている。
⑧ 大きな表面硬度、透明性を有する。

【新製品への応用と主な用途】

全文:約917文字

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー