BASFは7月31日、2020年第2四半期の決算を発表した。
今期は前期より新型コロナウイルスの感染拡大による経済的影響を強く受ける結果となり、特に自動車産業の需要が落ち込んだ一方で、洗剤・洗浄剤産業および食品産業の需要は安定していた。また、同社の世界各地の全重要拠点において生産を続けることができた。
第2四半期の売上高は、主にロックダウンによる販売量の減少により前年同期比12%減の127億ユーロだった。サーフェステクノロジー事業セグメントでは大幅に販売価格が上昇したが、川上分野の化学品の価格が下落したことによる全体的な価格低下を一部補うに留まった。
特別項目控除前営業利益は前年同期比77%減の2億2600万ユーロだった。ニュートリション&ケア事業セグメントと「その他」に分類される事業では増益となり、アグロソリューション事業セグメントの利益は前年同期とほぼ同水準を維持したが、それらを除いたすべての事業セグメントでは減益となった。減益の7割が、ケミカル事業セグメントとマテリアル事業セグメントに起因するものだった。
EBIT(営業利益)に含まれる特別項目は、前年同期の4億8800万ユーロの損失に対し、1億6700万ユーロの損失だった。顔料事業の分離や同社が新型コロナウイルス感染症対策支援として実施したキャンペーン「Helping Hands」などに関連し、特別費用が発生した。
純利益は前年同期の約60億ユーロに対し、マイナス8億7800万ユーロだった。第2四半期において、保有するWintershall Dea株式の現金に影響を及ぼさない減損損失を計上した。
非常に不透明な状態が続き、今後の経済的な推移が読みづらいことから、現時点での2020年通期の売上高、利益の推移に関する具体的な発表は行わないとしている。