積水化成品工業の2021年3月期第1四半期決算は、売上高が283億3800万円で前年同期比18・0%減、営業利益は6300万円で同90・5%減、経常利益は1100万円で同98・2%減、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億400万円となった。
生活分野の売上高は131億8600万円で同5・9%減、セグメント利益は6億9300万円で同22・8%増。食品容器関連では、コロナ感染拡大の影響により、行楽、観光関連資材の需要低下があったものの、内中食の増加によるスーパーなどでの生鮮食品用トレーや飲食店での持ち帰り容器などの需要が好調に推移した。一方、農産・水産関連、建材・土木関連での売上は低調となった。主力製品である「エスレンシート」(発泡ポリスチレンシート)の売上数量は、食品容器関連の需要増を確実に取込み伸長した。
工業分野の売上高は151億5100万円で同26・2%減、セグメント損失は5億5800万円となった。自動車関連では、世界的な自動車販売低迷が続いていたところに、コロナ感染拡大を受け、国内外の自動車メーカーの工場が一時閉鎖され、自動車部材、部品梱包材用途の「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)の販売が落ち込んだ。
Proseatグループについては、低迷が続く欧州自動車産業の影響を受け、業績が低調に推移した。家電・IT関連でも「ピオセラン」を使ったパネル搬送資材・梱包材用途の製品販売が低迷した。
また「テクポリマー」(有機微粒子ポリマー)を用いた液晶パネル等の光拡散用途では、在宅勤務等によるPC・モニターの需要増などで、売上が堅調に推移したが、その他の照明用途、塗料用途等は低調に推移した。 医療・健康関連では、「エラスティル」(熱可塑性エラストマー発泡体)を使ったランニングシューズのミッドソールにおいて、各国における外出自粛などの行動規制が強化される中で、販売伸長に影響が出た。「テクノゲル(ST―gel)」(機能性高分子ゲル)は、引き続き中国から米国への最終商品が貿易摩擦などの影響も受け低調な推移となった。利益面では固定費削減に取り組んだが、販売低迷による限界利益の減少を補えず、損失となった。
通期の連結業績予想は、売上高が1160億円で前期比14・8%減、営業利益が20億円で同46・3%減、経常利益が16億円で同52・8%減、親会社株主に帰属する純利益が10億円で同57・0%減を見込んでいる。