三井化学は8月5日、名古屋大学大学院工学研究科の堀克敏教授と名古屋大学発ベンチャーのフレンドマイクローブ社の3者で開発中の3Dプリンターを活用した再使用可能な新規マスク「Θ(シータ)」が完成したと発表した。
Θ(シータ)は、再使用する「マスク本体」と使い捨ての「フィルター」からなり、三井化学は、フィルター用の交換用不織布を提供する。両者との検討を重ね、マスク本体との最適化を図ることで、従来のマスク性能を維持しながらも使い捨てになる不織布使用量を従来品の10分の1に削減することに成功した。
同マスクの特徴として、次の5点が挙げられる。①マスク本体は再使用可能な樹脂製であり、洗浄など衛生管理が簡易である②本体が樹脂製のため、使い捨てになる不織布使用量は従来の10分の1に削減③3次元設計により、皮膚への接触面積が少なく、装着時の蒸れや化粧転写が少ない④樹脂の着色により、カラーバリエーションを揃え、ファッション性にも考慮した⑤着脱部位の構造に工夫し簡単に首から下げられ、一時的な脱着時の衛生面も確保できる
今回のコロナウイルス禍で世界的にマスクの需要は増加し、それに伴い使い捨てマスクのごみ問題も顕在化している。Θ(シータ)は、本体が生分解性樹脂(PLA)で出来ており再使用が可能なうえ、使い捨てになる不織布の使用量も従来品の10分の1で済むなど、環境に配慮している。
Θ(シータ)は、フレンドマイクローブ社より8月7日からクラウドファンディングMAKUAKEを通じ、先行予約販売の受付を開始する。また、同社は、以前よりマスクの件で相談を受けていた愛知県みよし市にマスクを寄贈することを決定し、みよし市役所にて同日14時30分から、名古屋大学堀教授も参加しマスクの贈呈式が行われる予定。