住友ゴム工業は8月6日、電話会議による決算説明会を開催し、山本悟社長が20年12月期第2四半期連結決算の説明を行った。
第2四半期決算(IFRS)の売上収益は3400億3800万円で前期比20・8%減、事業損失は23億900万円(前年同期は167億2800万円の利益)、営業損失は29億7400万円(前年同期は164億5700万円の利益)、四半期損失は93億4100万円(前年同期は63億2200万円の利益)となり、上期ベースで最終利益が赤字となったのは2009年以来。
第2四半期の事業環境は、天然ゴム価格や石油系原材料価格は低位で推移したが、コロナ影響で販売環境が減少したことや、ユーロや新興国の通貨安が進行したこともあり、「厳しい事業運営を強いられた」と(山本社長)総括した。
新型コロナウイルスが第2四半期業績に与えた要因(需要減による売上・利益への影響および工場稼働率低下によるコスト悪化影響)は、売上収益がマイナス926億円、事業利益がマイナス351億円、営業利益がマイナス351億円、四半期利益がマイナス230億円となった。
セグメント別では、タイヤ事業は、売上収益が2908億4500万円で同20・8%減、事業損失が8億9500万円(前年同期は127億4400万円の利益)。
国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや高機能商品の拡販を進めたが、コロナ影響で自動車生産が大幅に減少し、売上収益は前年同期を下回った。
国内市販用タイヤは、新商品「ビューロ VE304」をはじめとする「ダンロップ」ブランドの低燃費タイヤを中心に、高機能商品の拡販を推進したが、冬タイヤの販売が前年同期を下回ったことや、コロナ影響を受け市場が低迷し、売上収益は前年同期を下回った。
海外新車用タイヤは、コロナ影響で多くの地域で自動車メーカーの大幅な減産が発生し、売上収益は前年同期を下回った。
海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では、特に中国ではコロナ影響で需要は大きく落ち込んだ。欧州・アフリカ地域及び米州地域もコロナで市場は低調に推移し、売上収益は前年同期を下回った。
スポーツ事業は売上収益が298億2900万円で同30・5%減、事業損失は29億200万円(前年同期は28億800万円の利益)となった。コロナによるイベント中止や自粛ムードを受け、ゴルフ用品・テニス用品はともに市場が低迷し売上収益は前年同期を下回った。
産業品他事業は、売上収益が193億6400万円で同1・6%増、事業利益は14億7200万円で同26・2%増。医療用精密ゴム部品や使い捨て手袋の需要が堅調で、同事業は売上収益、事業利益とも前年同期を上回った。
20年12月期通期業績予想は、7月30日の公表通り、売上収益が7500億円で前期比16・0%減、事業利益が200億円で同63・2%減、営業利益が180億円で 同45・6%減、当期利益が70億円で同42・0%減を見込んでいる。