【開発経緯概略】
エチレン-プロピレンゴム(EPR、EPDM)は、エチレンとプロピレンをZiegler-Natta系触媒でランダム共重合したものである。エチレンとプロピレンの配合比、ポリマーの分子量に応じ、バター状から硬質ゴム状の種々の性状をした共重合体が得られるが、このうちエチレン含有量が30~70%、ジエン類が5~10%を含むゴム状物質のものは、合成ゴムとして使用されている。飽和ゴムであるから、硫黄による加硫ゴムができず、パーオキサイドで加硫する。そのため用途が限定される。
加硫ができるように不飽和結合を持ったモノマーを加えて三元共重合体としたものがEPDM(EPDR)である。
第三成分としてエチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、1,4-ヘキサジエン(1,4-HD)などが少量添加される。このEPDMは硫黄で加硫が可能であり、またこのゴムは主鎖に不飽和基を含まないから、耐オゾン性、耐候性、耐熱老化性、耐薬品性に優れている。
EPR、EPDMとも他のゴムとブレンドした場合共加硫ができない欠点がある。EPDMはバンパーの耐衝撃改良剤として使用され、またポリプロピレン、ポリエチレンなどの低温耐衝撃性、ヒートシール性、開口性、柔軟性、強度などの改良にEPM、EBM(エチレン-ブテン共重合体)などのオレフィンゴムが使用する。
【性質、加工、その特徴】
① 特に耐候性が優れる。
② 天然ゴム、合成ゴムの中で比重が最小である。
③ 酸化、熱、化学薬品に対する耐性に優れ、電気的性質も良好。
④ 引裂き強さや耐摩耗性が他の合成ゴムに比べて弱い。
【新製品への応用と主な用途】