旭化成の4~6月期 コロナでマテリアル6割減益 

2020年08月17日

ゴムタイムス社

 旭化成の2021年3月期第1四半期決算は、売上高は4551億5900万円で前年同期比9・3%減、営業利益は301億300万円で同27・2%減、経常利益は302億2100万円で同31・3%減、四半期純利益は135億8800万円で同44・3%減となった。

 セグメント別では、マテリアルは2047億円で同24・6%減、営業利益は89億円で同65・7%減となった。

 マテリアルのうち、基盤マテリアル事業は数量減に加えて、石化原料市況の悪化による在庫影響やアクリロニトリル(AN)などの交易条件悪化等により減益となった。

 パフォーマンスプロダクツ事業は自動車関連市場や衣料関連市場の大幅な需要減退の影響を受け減益となった。

 スペシャルティソリューション事業に関しては、通信インフラやタブレット端末向け需要などが好調に推移したことや、リチウムイオン電池用セパレータの販売数量が堅調に伸びたことなどにより増益となった。

 2020年度下期および通期業績予想については、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、世界各国の感染拡大状況・経済政策・市場回復等、依然不透明で予想が困難であり、市場環境の先行き見通しが不透明なことから、事業活動範囲の広い「マテリアル」セグメントの下期及び通期予想はレンジでの予想とし、グループ全体の営業利益についても同様とした。

 以上により、通期の売上高・営業利益は、「ヘルスケア」セグメントは、買収した事業の寄与もあり前期比15%以上の増収、25%程度の増益を予想するものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けた「マテリアル」セグメントは、同15%前後の減収、50%前後の減益になると予測。また、「住宅」は、同5%程度の減収、30%程度の減益を見込んでいる。これらに全社費用の削減を織り込んだグループ全体の営業利益は、同30%前後の減益となる1200~1300億円を予想している。

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