■ 挑戦するゴム商社 Vol.6
新たな事業ドメインへ挑戦する
カテックス 加藤巳千彦社長
2022年度を最終年度とする6カ年の中期経営計画「K22」が今期折り返しを迎えたカテックス(名古屋市中区、加藤巳千彦社長)。足元の需要動向やK22の進捗状況、今後の展望などについて加藤社長に聞いた。
◆足元の需要動向は。
今期(20年9月期)は、19年10月~20年5月時点で売上は前年同期比12~13%減の見通しとなっている。米中貿易摩擦による冷え込みに新型コロナウイルスの影響が加わり、特に自動車部品と工作機械関連が厳しい。ただ、8月以降は自動車メーカーの生産が持ち直すとの見方もあるので期待している。
当社は、高分子化学のあらゆるニーズに対応する工業用品事業部と、トンネル工事など建設工事の多様なニーズに対応する建設資材事業部を展開している。トンネル工事では同事業部が現場に立ち会い、当社が開発した地盤改良剤や止水剤などを使い、最適な施工方法をゼネコンに施工指導している。土木工事関係は、昨年後半から現場数が減っている上に、静岡県の許可が下りないため、リニア中央新幹線の一部の工事が休止状態となり厳しい。リニア工事の早期再開を待ち望んでいる。
◆中計の進捗状況は。
前半の3か年(2017年度~2019年度)はトータルではほぼ満足できる結果を残せたと思うが、進捗が遅れている分野もある。それらを今年度からスタートした後半3カ年でキャッチアップすることを念頭に計画を見直している。
今取り組んでいる中計では「棲む世界を変える」をテーマに各事業を推進している。棲む世界を変えるとは、事業ドメインを見直すこと。前半はカテ