樹脂製品事業は減収増益 クレハの4~6月期

2020年08月19日

ゴムタイムス社

 クレハの2021年3月期第1四半期決算は、売上収益が314億6500万円で前年同期比1・7%減、営業利益は、25億1200万円で同44・7%減、税引前四半期利益は28億2400万円で同38・2%減、親会社の所有者に帰属する四半期利益は20億4900万円で同46・2%減となった。

 セグメント別に見ると、機能製品事業は売上収益は86億5300万円で同12・5%減、営業損益は2億8100万円の赤字(前年同期11億6700万円の営業利益)となった。
 同事業の機能樹脂分野では、PPS樹脂、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は売上が減少した。炭素製品分野では、高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上が減少した。

 化学製品事業では、売上収益は53億3900万円で同0・1%増、営業利益は1億9800万円で同107・6%増となった。
 医薬・農薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上は前年同期並みだったが、農業・園芸用殺菌剤の売上が増加し、この分野での売上、営業利益はともに増加した。工業薬品分野では、無機および有機薬品類の売上が減少した。

 樹脂製品事業では、売上収益は105億5200万円で同3・7%減、営業利益は17億7900万円で同18・4%増となった。

 コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上が増加し、この分野での売上、営業利益はともに増加した。業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルム等の売上が減少し、前年度にブローボトル事業の譲渡を行ったこともあり、この分野での売上、営業利益はともに減少した。

 通期の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算定することが困難であることから、現時点では未定としている。

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