ADEKAの2021年3月期第1四半期決算は、売上高が678億4900万円で前年同期比3・3%減、営業利益は50億4600万円で同12・3%増、経常利益は45億1200万円で同6・7%増、四半期純利益は31億400万円で同3・4%減となった。
化学品事業の売上高は360億4900万円で同8・8%減、営業利益は37億200万円で同22・7%減となった。
樹脂添加剤は、自動車の販売・生産台数の減少を受け、自動車部材に使用される核剤、光安定剤、ゴム用可塑剤の販売が低調に推移した。
建材向けでは、住宅着工件数の減少により塩ビ用安定剤の販売が北米を中心に低調。食品包装や医療用途では、透明化剤、塩ビ用安定剤の販売が海外を中心に伸長した。
酸化防止剤は、価格競争の影響を受け販売が低調。家電筐体向けエンジニアリングプラスチック用難燃剤は、テレワークの広がりによるパソコン需要の拡大に対し安定供給を実施し、中国、東南アジア等で販売が堅調に推移した。
その結果、樹脂添加剤全体では、固定費の削減に努めたものの販売数量の減少等で減収減益となった。
情報・電子化学品の半導体向けでは、DRAM向け新製品の出荷が着実に増え、NAND向け製品の販売も中国を中心に回復した。また、リソグラフィ工程で使用される光酸発生剤等の販売が好調。一方、既存製品の価格下落や為替の影響もあり全体では低調だった。
この結果、情報・電子化学品全体では、販売数量の減少や為替の影響で減収減益となった。
機能化学品では、自動車の販売・生産台数が減少したことにより、エンジンオイル用潤滑添加剤や特殊エポキシ樹脂の販売が低調に推移した。また、一般工業向け界面活性剤、過酸化製品、プロピレングリコール類の販売も低調だった。この結果、機能化学品全体では、販売数量の減少と固定資産の減価償却費負担の増加等により、前年同期に比べ減収減益となった。
21年3月期通期の連結業績予想は、売上高が1350億円で前期比7・6%減、営業利益が58億円で同35・7%減、経常利益が51億円で同38・4%減、純利益が34億円で同42・6%減を見込んでいる。