BASFは8月19日、同社と出光興産(以下「IKC」)の合弁会社であるBASF出光(以下「BIC」)が、千葉県にある1,4―ブタンジオール(BDO)の生産工場を12月に閉鎖すると発表した。その後、同社とIKCの合弁契約も解消する。
BICの工場閉鎖は、同社がIKCと合意の上で決定したものであり、また、同社が現在BDOおよびその誘導体に関わる資産に関してグローバルで実施している、長期的オプションの見直しの一環。BIC工場の従業員数は21人で、全従業員に対して、日本のIKCまたは同社グループでの雇用機会を提供する。
BASFは、BDOおよびその誘導体の生産拠点をアジア、北米、欧州に有しており、現在BICからBDOを提供している日本の顧客に対しては、同社グループのグローバル拠点から引き続き提供していく。
同社の中間体アジア太平洋地域シニアバイスプレジデントのヴァシリオス・ガラノス氏は、「BASFは、BDOおよびその誘導体のリーディングカンパニーとして、今後も質の高い製品をもってグローバルにお客様をサポートしていく。今回の措置は、お客様とBASF双方にとって長期的に付加価値をもたらす為に、競争力を強化するという戦略の一環」と述べている。
BICの齋藤大代表取締役社長は、「国内BDO市場規模の縮小、および市場での近年の石炭ベースのBDO生産拠点への投資によるアジアでの生産能力の大幅な過剰により、千葉工場を閉鎖せざるをえなくなった」と述べている。なお、移行を円滑に進めるために、BICはすべての顧客と連絡を取りあっていくとしている。
BDOおよびその誘導体は、エンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、溶媒および弾性スパンデックス繊維の生産に不可欠な化学品。