導電性高分子|合成ゴム

2020年08月30日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
プラスチックの導電性材料には、本来絶縁物であるプラスチックに金属繊維、カーボンブラックなどの既存の導電性微粒子または導電性繊維を分散させて導電性を付与した導電性複合材料と、高分子電荷移動錯体のような有機導電性高分子化合物との二つのタイプがある。
導電性複合材料は、導電性フィラーをポリマー中に高濃度で分散させて導電性を付与した耐熱性のもので、導電性樹脂、導電性ゴム、導電性接着剤、導電性塗料などがある。電極、はんだ材、電磁波シールド材料および帯電防止剤として使用される。導電性フィラーとしては①カーボン系(カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維など)、②金属系(金属繊維、金属フィラーなど)、③その他(金属めっき有機・無機物など)の3種類がある。
導電性ポリマーは、電気(電子またはイオン)を伝導できる高分子のことで、共役高分子のポリアセチレンなどに電子受容体や電子供与化合物の添加(ドーピング)することにより、高導電化現象が見出され、この分野の研究が盛んになった(日本の白川博士の発明でノーベル化学賞が授与された)。多くの導電性ポリマーは共役系であり、そのため分子の剛直性が高く、不溶不融である。したがって、これら材料の最大の問題点は加工性にある。そのため導性ポリマーに成形性を与える方法として、後処理で共役系を生成させるような中間体を使用する方法と長鎖基を導入する方法が開発された。可溶性中間体を経由する方法では、直接共役系導電性ポリマーを作らず、一度主鎖中に飽和結合を持つ中間体を合成し、熱分解による側鎖の脱離や異性化により共役系を生成する。熱分解の過程で副反応が起こり、きれいな共役系が得られないこともある。側鎖の導入で、溶剤に可溶なポリマーが得られているが、電気伝導度はあまり高くない。

【性質、加工、その特徴】
●導電性複合材料:マトリックスのポリマー、フィラーの種類、形状、分散状態により非常に異なってくる。
●導電性ポリマー:ポリマーの種類、重合法、ドーパントの種類により異なる。

【新製品への応用と主な用途】

全文:約1118文字

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