ユニチカは8月20日、「for the EARTH」活動を推進するため、7月に技術開発本部内に「サステナブル推進室」を新設したと発表した。
活動の一環として、サステナブル経営推進機構(SuMPO)の監修のもと、LCA(Life Cycle Assessment)の手法を用いて、同社の環境配慮型食品包装用ナイロンフィルム「エンブレムCE」およびポリエステルフィルム「エンブレットCE」で、CO2など温室効果ガスの発生量を算出し、リサイクル品を使用しないケースと比較してそれぞれ約40%および30%の削減効果が期待できることを確認した。
同社グループでは、エコ素材、環境関連製品と活動を「地球生活のために=for the EARTH」というひとつのテーマのもと、最重要課題として取り組みを推進している。
同社はSuMPOの監修のもと、LCAの手法を用いて「エンブレムCE」、「エンブレットCE」の生産に伴うCO2の発生量を算出した結果、リサイクル品を使用しない場合と比較(当社比)して、製品段階でのCO2排出量が下記の割合で削減されることを確認した。
・ナイロンフィルム「エンブレムCE」:38%(CO2換算)
・ポリエステルフィルム「エンブレットCE」:27%(CO2換算)
環境配慮型ナイロンフィルム「エンブレムCE」とポリエステルフィルム「エンブレットCE」は、ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクル、それぞれの方法にて再生した材料を併用した包装用フィルムであり、石油由来原料100%のプラスチックフィルムと同等の機械物性、印刷適性を有しているのが特徴。また、使用する再生原料を厳密に管理することで、食品包装用途への使用が可能となっている。
環境配慮型食品包装用ナイロンフィルム「エンブレムCE」やポリエステルフィルム「エンブレットCE」で用いられたようなケミカルリサイクル技術は、プラスチック資源の有効利用の観点から、今後ますます重要になってくるものと考えられる。同社は、環境配慮型の素材開発による事業展開をさらに加速させ、持続可能な社会の実現に向けて積極的に貢献していく。
将来的には自社の技術や資源だけではなく、廃棄プラスチック製品を多様な基礎化学品レベルにまで戻すケミカルリサイクル技術を持つ企業などと広く連携することによって、より大きな循環を形成し、さらなる温室効果ガス排出量削減を目指した取り組みに発展させることも検討するとしている。