コロナ影響で全社減収 原料メーカー11社の4~6月

2020年08月31日

ゴムタイムス社

 合成ゴム・化学メーカーの21年3月期第1四半期決算(クラレは20年12月期第2四半期)から、合成ゴムとエラストマー事業の現況をピックアップした。新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより、全社ともに減収となった。

 ◆JSR
 エラストマー事業は、新型コロナウィルス感染拡大の影響による需要低迷により販売数量は前年同期を大幅に下回り、売上収益も大幅に減少。営業利益は、販売数量の大幅な落ち込みにより前年同期を大幅に下回り、減益となった。

 ◆日本ゼオン
 合成ゴム関連は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済悪化の影響を受け、主要市場である自動車産業向けをはじめとして一般工業品用途向けも大幅に落ち込み、国内・輸出・海外子会社とも低調に推移した結果、売上高、営業利益ともに前年同期を下回った。

 ◆三井化学
 エラストマー、機能性コンパウンドは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、販売が減少した。

 ◆住友化学
 石油化学事業では、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う経済活動の落ち込みにより、自動車関連用途を中心に合成樹脂などの出荷が減少。また原料価格の下落に伴い、石油化学品などの市況が低水準で推移した。

 ◆旭化成
 マテリアル事業では、数量減に加えて、石化原料市況の悪化による在庫影響やアクリロニトリル(AN)等の交易条件悪化、新型コロナウイルス感染拡大による世界経済減速の影響等により減益となった。

 ◆宇部興産
 合成ゴム事業は、タイヤ用途を中心に出荷が大幅に減少したことに加え、製品市況が下落したことから、減収減益となった。

 ◆デンカ
 クロロプレンゴムの販売は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け自動車産業を中心に全般的に生産活動が停滞したことから、前年を下回った。また、スチレンモノマーやデンカシンガポール社のポリスチレン樹脂およびMS樹脂の販売は、原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことから減収となった。

 ◆東ソー
 石油化学事業のクロロプレンゴムは、新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要減少に伴い、アジア向けを中心に輸出が減少した。

 ◆クラレ
 イソプレン関連は、ファインケミカル及び熱可塑性エラストマー「セプトン」ともに、主に中国、アジアにおいて需要減速の影響を受けた。

 ◆信越化学工業
 シリコーン事業は、汎用製品の価格下落や、車載向けや化粧品向けの需要鈍化の影響を受けた。

 ◆ダイキン工業
 フッ素樹脂は、国内・欧米・アジアでの半導体および自動車関連の需要減少や、米国のLANケーブル・航空機関係の需要減少などにより、売上高は前年同期を下回った。フッ素ゴムも、国内・欧米・アジアでの自動車関連分野の需要が落ち込んだ影響を受け、売上高は前年同期を大きく下回った。

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