タイヤ4社の20年12月期第2四半期の非タイヤ部門は、新型コロナウイルス感染拡大で需要が大きく落ち込み、全社が減収となった。利益はコロナ影響に加え、事業再構築などで3社が損失となった。
◆ブリヂストン
ブリヂストンの非タイヤ事業である多角化事業は、ベルトやホース、免震ゴムなどの化工品事業に、スポーツ・サイクル事業に、米州多角化事業を加えたセグメントとなる。
この多角化事業では、化工品事業で抜本的な事業再構築を進めている。
第2四半期の多角化事業の業績は、売上収益2447億円、調整後営業利益はマイナス92億円となった。多角化事業の売上収益約4割を占める化工品事業の売上収益は1040億円、米州多角化事業の売上収益は1073億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益は321億円となった。
◆住友ゴム工業
住友ゴム工業の非タイヤ事業は、スポーツ事業と産業品他事業で構成されている。
第2四半期の両部門合計の売上収益は492億円で前年同期比20%減、事業損失は14億円(前年同期は事業利益40億円)となった。
このうち、スポーツ事業は、売上収益が298億円で同31%減、事業損失は29億円(前年同期は事業利益28億円)。コロナ感染拡大によるイベントの中止や自粛ムードなどが影響し、ゴルフ、テニス用品は販売が減少し、減収減益となった。
産業品他事業は、売上収益が194億円で同2%増、事業利益は15億円で同26%増の増収増益。医療用精密ゴム部品や制振ダンパー、インフラ系商材、手袋が堅調に推移した。
通期予想では、スポーツ事業は売上収益が640億円で前期比24%減、事業損失は40億円(前年同期は事業利益43億円)、産業品他事業は売上収益が410億円で前期並み、事業利益は40億円で同17%増を見込んでいる。
◆横浜ゴム
横浜ゴムの非タイヤ事業は、MBとATGで構成されている。
第2四半期の両部門合計の売上収益は776億円で前年同期比19・9%減、事業利益は46億円で同50・0%減となった。
このうちMB部門は、売上収益が475億円で同20・2%減、事業利益は14億円で同65・2%減となった。
ホース配管事業は、建機向けは国内外で需要減、自動車向けも4月と5月を中心に販売が減少した。また工業資材事業は海外向け海洋商品が堅調だったものの、コンベアベルトが国内外で需要が落ち込んだ。ATG部門は、売上収益が301億円で同19・3%減、事業利益は32億円で同37・3%減となり、主力のインド工場の操業停止の影響や、建機などの販売減により減収となったが、農機向け市販用タイヤは底堅く推移した。
◆TOYO TIRE
TOYO TIREの非タイヤ部門は、化工品事業と硬質ウレタン事業の譲渡に伴い「自動車部品事業」へ名称変更した。
第2四半期の自動車部品事業は、売上高が161億円で同29・5%減、営業損失は18億円(前年同期は7億円の損失)となった。
コロナ感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響を受け、同事業における防振ゴムの販売は減少した。[/hidepost]