バンドー化学は8月28日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」の助成先に選定されたと発表した。
採択された14件のテーマのうちの1件で、化学品メーカーである東ソーと連携して「伝動ベルトをターゲットとしたCNF複合化クロロプレンゴムの低コスト製造技術開発」を行う。実施期間は2020年度~2024年度の予定。
同事業では、製造コストを大幅に低減させるための製造プロセス技術の開発や、用途開発の促進、安全性評価などを行い、これにより、セルロースナノファイバーを利用した製品社会実装・市場拡大を早期に実現することで、CO2の排出量を削減し、エネルギー転換・脱炭素化社会を目指す。
世界では石油の価格上昇や枯渇リスク、CO2排出量の増大に伴う温暖化問題に直面しており、将来的に石油資源の供給リスクを克服しつつ、持続可能な低炭素社会を実現していくためには、バイオマスなどさまざまな非石油由来原料への転換が必要となっている。植物素材であるセルロースナノファイバーは、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上の強度を有するバイオマス由来の高性能素材。その実用化に向けた期待が増す一方で、市場拡大にはさらなる用途の開拓やコストダウンが期待されている。
同社では、セルロースナノファイバーの特長を活かしたゴム材料技術によりベルトの高伝動化および高効率化の開発に取り組んできた。高伝動化により駆動システムの大容量化・コンパクト化を可能とし、また、高効率化により低燃費化を可能としてCO2削減を図る。
同社は、従来から環境貢献製品の開発に取り組んできたが、今回のNEDO助成採択により、同事業を推進し、さらなる社会貢献を目指していくとしている。