イノベーションセンター開設 積水化学、開発研究所内に

2020年09月01日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は8月31日、同社の高機能プラスチックスカンパニーが、1961年に建設した同カンパニーの主要研究開発拠点である開発研究所(大阪府三島郡)内に、規模拡大とイノベーションのさらなる加速を狙い、水無瀬イノベーションセンター(通称MIC)を併設したと発表した。

 MICでは、1階部分をオープンイノベーションスペースとしている。同スペース内には、「テクノロジーガレージ」と名付けた展示・デモ実験エリアを設け、高機能プラスチックスカンパニーの最新技術・製品とともに、昨年制作したコンセプトカーを常設するほか、実験設備を備えた「ラボスタジオ」や打ち合わせスペースを併設。顧客との意見交換やプロトタイピングを促進し、スピーディーにイノベーションのタネを創出するとともに、顧客との関係強化も図る。

 2階~5階はアイデア創出スペース・オフィス・実験室・カフェテリアで、エレクトロニクスやモビリティ、住インフラ材など同カンパニーの各戦略分野の社員間の交流・共創を促すため、らせん状の回遊型通路を採用するほか、気軽に対話できるスペースを随所に設けるなど、設計上の工夫を施している。これまで以上に、エレクトロニクスやモビリティ、住インフラ等の技術や知見を融合したソリューションが求められていることに対応し、社内の技術や知見の融合を図る。

 また、新型コロナウイルス感染防止の観点で対面機会が抑制されていることも踏まえ、顧客とのウェブを活用した打ち合わせ・プレゼンテーションやプロトタイピング方法についても検討を進め、コロナ禍の中でもMICを社内外のオープンイノベーション拠点として効果的な活用を図っていく。

 同社は、前中期経営計画(2017年度~)より、「融合」を経営戦略上のキーワードとし、社内外の技術・機会・リソースの融合による新たな価値創出を図っている。特に高機能プラスチックスカンパニーの3つの戦略分野(エレクトロニクス・モビリティ・住インフラ材)においては、通信業界における5Gの普及、自動車業界の自動運転を含むCASEの進展など、通信や自動車業界の変容に伴い、各分野を横断した人や情報の融合が、イノベーション創出のため重要になっている。

 同社は、MIC開設により社内外での融合を促進し、社会課題解決と同社グループおよび高機能プラスチックスカンパニーの成長に資するイノベーションの創出をさらに推進していく。

 

MIC外観

MIC外観

MIC内観(1階)

MIC内観(1階)

テクノロジーガレージ

テクノロジーガレージ

ラボスタジオ

ラボスタジオ

気軽に対話できるスペース

気軽に対話できるスペース

らせん状の回遊型通路を採用

らせん状の回遊型通路を採用

 

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