デンカ、CO2排出削減加速 高効率ガスタービン発電機導入

2020年09月01日

ゴムタイムス社

 デンカは8月31日、ESG経営に基づく温室効果ガス排出削減に向けた取り組みとして、石油化学製品の中核拠点である千葉工場(千葉県市原市)に約37億円を投資し、自家発電用の高効率ガスタービン発電機設備を導入することで、年間約1万2000t以上の温室効果ガス(CO2)排出削減を進め、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速していくと発表した。

 導入するガスタービン発電機2台の最大出力は約7500kW、総合効率は約85%。総投資額は約37億円で、送電開始は2022年6月の予定。

 国際枠組みとして採択されたパリ協定では、産業革命以前からの平均気温上昇2度以下を目標として定められており、世界中で温室効果ガスの排出削減対策が急務とされている。同社は化学メーカーの責務として、パリ協定を念頭に置き、中長期の温室効果ガスの排出量削減目標を策定している。今回の高効率ガスタービン発電機導入は本中期目標で掲げる全削減量の約2%、エネルギー起源の排出削減量の約5%に相当する削減効果が見込まれる他、使用するエネルギー原単位の改善で千葉工場のコスト競争力向上にも寄与する。

 また、今回の高効率ガスタービン発電機導入は十分な排出削減・省エネ効果が見込まれることから、経済産業省より補助金交付(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)の採択を受けており、2018年に採択された青海工場でのガスタービン発電導入等による省エネルギー事業に続く取り組みとなる。

 長期的な温室効果ガス排出削減に向けたクリーンエネルギーの利用拡大として、同社は現在保有する自社水力発電所15ヵ所(北陸電力との共同出資会社である黒部川電力株式会社の5ヵ所を含む)に加え、新たに2ヵ所の水力発電所の建設も進めており、これら2ヵ所が稼働することでさらに年間約3万5000tのCO2排出量削減に貢献する見込み。

 同社はSDGsを羅針盤に、今後も様々な環境保全・保護に関する取り組みを進め、地球環境に配慮した企業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していく。

 なお同社は、同件による2020年度連結業績への影響はないとしている。

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