GSアライアンスは9月2日、石油系材料を使用しない100%天然バイオマス系生分解性樹脂製の抗菌塗料、抗菌コーティング材を開発したと発表した。
同社は、既に種々の天然バイオマス系生分解性樹脂材料やセルロースナノファイバー関連製品などを開発しており、それらの知見に耐久性、持続性の高い無機系の抗菌材料の技術を合わせ製品を開発した。第三者試験機関で大腸菌の不活性化を確認しているが、使用している無機系の抗菌材料は抗ウィルスも持つので、抗ウィルス塗料、抗ウィルスコーティング材としても効果があることが予想される。抗菌塗料は市場に既にあるが、天然バイオマス系生分解性樹脂材料をベースとした抗菌、抗ウィルス塗料、コーティング材は国内外であまり商業化されていない。
新型コロナウイルスの影響により、マスク、医療用ガウン、医療用防護服、手袋、フェイスシールドなどの石油系材料を用いるプラスチック製品が大量に生産され、消費されている。これらの抗菌塗料、コーティング材などには石油系の樹脂材料などが主に原料として使用されており、石油由来のプラスチックと同じく、環境への負担が大きいのが問題となっている。
同社は今後も、塗料、コーティング材としての耐久性、硬度、耐摩擦性、粘度特性、分散性などの特性を向上、最適化させ、より特性の良い抗菌、抗ウィルス性を持つ天然バイオマス系生分解性塗料、コーティング材の開発、事業化の加速を目指すとしている。