BASFは9月3日、ウルトラゾーンEの超高粘度グレードを日本で上市したと発表した。
このPESUウルトラゾーンE7020Pは、ウルトラゾーンEの優れた機械特性を維持しつつ、分子量をかつてないレベルにまで高めたグレード。これにより、食品・飲料分野、電子工業分野、医薬品分野などで使用される、耐久性に優れた中空糸膜やフィルターの製造が可能になる。また、過熱蒸気に対して特に耐性があるため、膜やフィルターを洗浄する際の温度を上げ、洗浄頻度を増やすことができる。高圧蒸気(134℃)やエチレンオキサイド、ガンマ線による滅菌を繰り返しおこなっても、膜の繊細な細孔構造が維持される。
ウルトラゾーンEは、ゲルやオリゴマーの含有量が少なく、安定的な膜製造プロセスを確実にする高純度材料。同社のPESUは、劣化することなく、広いpH値(0~13)で使用できる。米国食品医薬品局(FDA)および欧州において、食品接触材料の反復使用に関する基準に適合しており、飲料水や食品加工用途としても使用可能。
ウルトラゾーンは、ウルトラゾーンE(ポリエーテルスルホン)、ウルトラゾーン S(ポリスルホン)、ウルトラゾーン P(ポリフェニルスルホン)を含む、同社のスルホン系樹脂製品群の登録商標。この高性能素材は、水処理膜、温水や食品と接する部品に使用されるほか、電子機器、自動車、航空宇宙産業において軽量な部品を製造するためにも使用される。ウルトラゾーンブランドは、その優れた特性により、熱硬化性樹脂、金属、セラミックの代替として利用することができる。