中越パルプ工業は8月28日、セルロースナノファイバー(以下、CNF)を用いた複合樹脂ペレット・マスターバッチ品(以下、MB)の販売を開始したと発表した。衝撃強度を強化した製品をはじめ、複数のグレードをラインナップしている。
製品ラインナップは、標準グレードが1種、衝撃強度強化グレードが「衝撃タイプ」「高剛性タイプ」「高衝撃タイプ」の3種。
これまで同社は、CNF(商標名nanoforest)を用い、ポリプロピレン(以下、PP)との複合を可能とした粉末グレードである「nanoforest―PDP」(以下、PDP)を提供しているが、検討先にてPPとの混錬時にPDP分散性の課題があったことから、PDPを事前にPPへ良分散させたMB品を提供することとした。
さらに、CNF複合樹脂の実用化に向けた取り組みにおいては、剛性が向上する一方で、固く脆い性質に起因する衝撃強度の低下が課題として挙げられており、特に自動車産業分野では衝撃強度の強化が望まれている。この要望に応えるべく、同社では今回、衝撃強度の強化対策にも取り組み、標準グレードMB品に加えて衝撃強度を強化した3種類のグレード品を新たにラインナップした。
CNFはプラスチック分野において低比重・高剛性化による軽量化が期待できる補強剤として、自動車産業をはじめとした様々な産業分野で応用が試みられている。同社は今後のMB開発展開として、剛性、軽量化以外の機能性付与の開発を進めている。様々な分野での応用・実用化を目指し、丸紅と共に開発営業展開の強化を図っていくとしている。